まちぶら部

【現役学生インタビュー#8】20年入学の大学生に「コロナ禍の大学1年間」を振り返ってもらいました。

こんにちは。まちぶら部研究員の大澤響です。

 

今回のインタビューでは国立大学に通うYさんにご協力いただきました。

Yさんは現在在学2年目、2020年度に入学し、1年目は入学式もできず、授業もほとんどがオンライン授業で行ったという事でした。そんなYさんが過ごした20年度の1年間や現在の生活スタイルなどをお聞きしながら、コロナ禍で思っていることや考えていることをピックアップしつつ、学生さんのインサイトを皆さんにご紹介できればと思います。

 

●入学から想定外のスタートであるが、粛々と対応。20年度は勉強に集中できた1年であった。

―本日はインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございます。早速ですがコロナ禍での1年目、想像とは異なる環境でのスタートでしたが、大学生活はいかがでしたか。

 

さん(都内在住、実家暮らし)

 こちらこそ。ありがとうございます。1年目の大学生活については私生活は比較的落ち着いていましたが、大学生活に関しては少し窮屈でした。授業のほとんどがオンライン授業で、zoomでの授業が多く、事前に資料を配布されて課題をこなしていくことが多かったという印象です。9月頃に緊急事態宣言が緩和されたタイミングで対面授業もありましたが、授業によっては対面の無いものもけっこうありました。

 

―オンライン授業はどうでしたか。

 

さん

 あまり「やりにくさ」は感じませんでしたが、1年目は必須授業も多く、選択授業が少ないので自分の興味によって集中が続く続かないは出てきていましたね。あとは、パワポに書いてある文章を読み上げるだけとかの授業は・・・かなりきつかったので、オンラインでの授業の難しさや限界を感じた部分もありました。ただ、元々自分が興味ある分野の大学だったので、授業には積極的に取り組めました。外出制限で遊ぶ時間も取れなかったので、比較的勉強に集中できた1年だったと感じています。

 

●大学の友人はSNSで繋がり情報交換⇒対面授業で仲を深める。日常生活では高校から仲良かった友人と遊び絆を深めた。

 

―我々の大学生活とは大きく異なりますね。コロナ禍だと通学もできないですよね。大学で友人はどうやってつくっていますか

 

さん

 大学の友人とはオンライン授業で初めて会って、対面授業の時に再会するのですが・・・オンライン授業で会っているので初めてではないのに「初めまして笑」みたいな感じがあり気まずかったのを覚えています。あとは小学生の頃から嗜んでいる茶道を大学でも続けているので、その活動の中で仲良くなる子がいました。ただ、茶道も基本的にコロナ禍はオンラインで座学を学び、お茶会は教授のご自宅にお招きいただいて、少人数で実施という活動をしていました。あとは、今年から茶道以外にもインカレのサークルに入ろうかと考えています。

 授業やサークル活動以外にも、Twitterで友人を探して、繋がり、大学の情報を交換したりしています。

 

―twitterを活用しているのは意外ですね。

 

Yさん

 結構活発に活用されていますね。私は言うほどtwitterを使っているわけではないのですが、大学の学科とかサークル毎にアカウントがあって、情報交換したいときはアカウントにDM(ダイレクトメッセージ)をして「学生証」を送り、しっかり在学している証明ができれば「フォロー」と情報交換(DM)ができるようになる。ということがあります。

 

―すごい・・・笑 ちゃんとセキュリティーもしっかりしているんですね。

 

Yさん

 そうです笑 ちゃんと学生を証明しないと変な人も入ってこれちゃうので。あと、危ない人の情報(twitterで危ない発言をしている人だったり、危ない行動をする人)も共有していて、率先してブロックしたりしているんです。笑

 

―Twitterは使いやすい分、危険も多いですからね笑 いい使い方をされていると思います。

SNSで仲良くなった友人とは遊びに行ったもしているんですか?

 

Yさん

 SNSで仲良くなるというよりも、twitterなどで初めて知って、同じ学科や対面授業で仲良くなるような形です。仲良くなった友人とは、対面授業の帰りがけにカフェに寄ってお茶したりしていました。ただ、よく遊ぶのは高校時代の友人です。「コロナ禍で通学できず・オンライン授業のみで友人ができない」という境遇なのはわかっているので、1年目は同じ高校で仲良かった友人とよく集まっていましたね。

 

―おぉ。そうなんですね。

 

 必然的に対面コミュニケーションが減っているので、大学で付き合うコミュニティーが減ったのが原因です。その分、高校の頃から付き合いのある友人はお互いの関係性が分かっているので、1から創り上げなくて良いという事と、同じ「大学に通えていない境遇」という相互理解もあり仲は深まりました。本当はもっと友人と遊びたいです。高校生の頃は「毎日通っていて友人と顔を合わせる」ことが普通だったので、大学入学当初はギャップで孤独感を少し感じていました。

 

―そうですよね。せっかく仲良くなってもオンライン上だと授業でしか会えないし、SNSも一面的でしかその人を知れないので、仲良くなりきれないということはありますよね。

 

●外出頻度は「配慮しながら最大限楽しむ」スタイル。対面授業の時に帰りがけにカフェでランチ。

 

―最近は、友人とおでかけしたりしていますか

 

 普段はオンライン授業などで自宅にいることが多いのですが、対面授業などがあると学内で会った友人と帰りがけにカフェに行ったりします。私、謎に定期券を買ってしまったので笑 定期券内でなるべく交通費のかからないところに行きます。よく行くのは、表参道、銀座、渋谷、新宿です。おしゃれで話題性のあるカフェとかはインスタ「#表参道カフェ」とかで調べて行きます。ランチとか夕飯の「ごはん系」はインスタでも調べますが、美味しいかどうかも気になるので食べログの評価もチェックしてから行く場所を決めています。最近は中目黒のダイワ(フルーツサンドの名店)に行きました。

 

―ちゃんと学生っぽいことしてるんですね笑

 

 してます。笑 ただ、毎日外出したりという事はないです。日頃はインスタで情報を見つつ、行きたいところとか気になる投稿は保存してます。テレビも見るので気になるところがあると検索かけますね。集めた情報を元に、でかけたりします。

 

●コロナ禍は興味あることに集中できる期間でもある。

 

―最後に新型コロナウィルスが終息したら、なにがしたいですか

 

 もちろん今できていない旅行とかもしたいのですが、割と大学の授業や勉強が楽しいので早く対面授業が増えると良いなと思っています。

 1年生時のオンライン授業はレポート提出が多かったので、興味が薄くなっちゃう授業に関してはレポートに掛けて単位を取得していました。その時間を自分の気になる分野や興味のあることの勉強に使っていたので、2年生の専攻分野の授業に関しては本当に楽しいんです。コロナ禍は「自分の興味に時間と精力を避ける」という期間でもありますね。

 

―本当に素晴らしい。本日はYさんにインタビューできてよかったです。ありがとうございました。

 

 こちらこそ。ありがとうございました。

 

 

●「できないこと」は多いけれど、「できる」時間は自分の興味関心に一直線。「学びたいこと」「やりたいこと」に集中するコロナ禍。

Yさんが持つ興味関心に一直線な考え方は非常に魅力的だと思いました。「学生はモラトリアムの中で浮き沈みしながら年齢を重ねるもの」というステレオタイプな見方をしていた自分が恥ずかしいです。とは言え、Yさんはもちろん学生で、学校の友人と授業の後のカフェに行ったり、高校時代の友人とインスタで調べたお店に行ったり、今できる中で学生としての「おでかけ」を楽しんでいたように感じました。

ここ最近の傾向として、だらだらブラブラとした「おでかけ」ができない分、集中した時間の中で「狙ったお店に行く」ということが顕著になっているように感じます。情報の保存機能もあるため「情報仕入れて即日即行動」というよりも、使えるお金が限定的な中で様々な情報を仕入れて「吟味」の期間が、以前と比較して長くなっているように思われました。