
【現役学生インタビュー#5】Withコロナの学生生活 部活におでかけ
みなさま。こんにちは。まちぶら部研究員の大澤響です。
新型コロナウィルス(covid-19)が流行し「緊急事態宣言」から早いことに6か月弱が経過しました。
9月末まで落ち着いた感染者は冬の訪れとともに猛威を振るい始め、先行きの見えない不安が我々を煽ります。
今回は、そのコロナ禍で体育会応援部に所属し日々の部活と学生生活に勤しむ都内現役大学生(4年生)の方に
インタビューをさせていただきました。
コロナ禍で学生生活やおでかけへの意思、さらには就職の希望が変わったのか、定性調査から少しずつ紐解きたいと思います。
※このインタビューは8月末日にオンラインにて実施されました。
●部活動は7月まで禁止。夢の4年生で悔しい思いはあるが「できることをやる」
―今日はインタビューに応えてくれてありがとう。早速、Mさんを取り巻く学校生活の状況を教えてください。
1年目より体育会応援部に所属し、チアリーディングを続けています。
今年は学生生活ラストの年ですごくやる気に満ち溢れていました。
ですが新型コロナウィルスの流行により、新入生歓迎や合宿、大学野球、アメフト、サッカーなどの主要な応援活動などがすべてが中止となってしまい・・・・公式戦がある部活などでは、6月末日で練習を再開している部もあったが、所属している部は公式戦などがないため7月末日より大学での練習がスタートしました。今は週5日、大学に通い部活動を行っています。
それまではオンラインでチームメイトとの基礎練習や合同トレーニング、ミーティング
新入生との顔合わせや他大学との合同練習を行っていました。
学校側から一度に集まるのは30名までという制限がある。そのため、各部活動「朝・昼・夕」などで練習を分けています。
また、帰宅時もグーグルフォームで「どういったルートを通って帰宅したか」を大学学生部に提出しなければならないため
大学へ直行し、練習が終わったら寄り道せず帰宅という生活を送っています。
※友人が通う大学なども部活に所属する寮生は「寮に戻ったら外出禁止」という厳しいルールがあるところや
寮生は電車に乗ってはいけないというルールのある大学もあるようです。
―部活動を頑張る学生さんにとってはかなり厳しい状況だね・・・。その他、細かいところで変わったところはありましたか?
応援部では、新しいルールで「返事をしてはいけない」というのがあるため、基本的にうなずくや拍手で
練習中はコミュニケーションを取っています。また、スタンツという「組み」もなくなってしまいました。
1年生も、まだ同期に直接会ったことのなく、部活にも慣れていない中で、新しい価値観と生活様式を取り入れて
「応援部」というのに順応しようとしていて、本当にすごいと思います。
4月から180度変化した学生生活にも関わらず、冷静に置かれている環境を見極めて自分たちのベストを出してゆく姿が
非常に印象的でした。特に、練習環境やコミュニケーション方法が急激に変わったにも関わらず
変化した環境を受け入れ、ひたむきに練習に取り組む姿勢は非常に素晴らしかったです。
●企業の将来性を見極めながら「自分のやりたいことをしたい」という気持ちがある。
―大きく変化した学生生活ですが、今は将来に向けた就職活動も行っていたかと思います。志望する業界や気持ちに変化はありましたか?
志望業界は変わっていません。基本的に「やりたい仕事を頑張りたい」という気持ちがあります。
しかし、コロナ禍で企業も新入社員を取らないところは多くなったと感じます。
そのため、将来性や未来などを見越して就職先は考えました。
現在内定をいただいている企業は、やりたいことも幅広くできるのが魅力的だと感じています。
―特にこうしたところが魅力的で決め手になったというのはありましたか?
実際に企業の紹介をしていただいた先輩方の説明や私たち就職を目指す学生に対してのフォローアップが
手厚い企業さんは非常に魅力的だと感じ、今回内定を頂いた企業は実際にそうでした。
―オンライン面接やオンラインでの選考はどうでしたか?
新型コロナウィルスが流行の兆しを見せ始めた2020年2月ごろに各企業で面接がオンライン化し始めました。
初めてオンライン面接を行った際に「オンラインに慣れないな・・・」と自分の気持ちがありました。
ただ、徐々に慣れていくうちに「オンラインの方が時間に気にすることもなく、様々な企業の話も聞けるし良いかも」という
気持ちの変わりました。また、企業側もオンライン選考やオンライン面接に慣れている会社は非常に魅力的に見えました。
時代の流れに合わせるという気持ちはありつつも、自分のやりたい業界で頑張りたいという信念があるようです。
また、オンラインでの選考のうまさ、コーポレートサイトのすばらしさなど、web上の美しさや洗練されたビジュアルを見て
志望企業を見極めることも、一つの大きな基準となっているようです。
●大都市を避けて、リーズナブルに行けるおしゃれ個店をめぐる。
―学生生活や就職活動について色々聞かせてくれてありがとう!次の質問は「おでかけについて」です。
コロナ禍でどうやって外出先を選んだり遊びに行ったりしているかを聞かせてください。
基本的に部活動メインなので、あまり遠出をしたり外泊をしたりということは普通の学生の皆さんよりは少ないです。
遊びに行くとしたら、ブラブラするということはなく、目的を決めて遊びに行きます。
池袋、渋谷、新宿は集まりやすかったので良かったのですが、クラスターなども怖いので候補になることはほとんどないです。
あとはあまりお金を使いたくないので、定期圏内で行けるところ選んでいて、定期圏外は歩いたりします(笑)
多くて月2回あるかないかで外食に行ったりします。誘われたら行くけど部活動での体重制限もあるし
お金もないし、コロナになりたくないし自分からは進んでいくような感じではないです。
―定期圏外は「歩く」はすごいですね!!実際にどういったところにいったんですか??
例えば、下北沢から三軒茶屋まで歩いたり、家から青葉台まで歩いたり、登戸から二子玉川まで歩いたり・・・(笑)。
田園都市線沿いに大学の友達もたくさんいたので、トレーニングの意味も込めて歩きました。
最近だと、二子玉川や三軒茶屋などの個人経営の店に行くようになりました。
私は元々お休みも少ないので「たまの休みは良いモノが食べたい!」という気持ちが大きいのかもしれません。
新型コロナウィルス流行前から「食」に関しては「これを食べたいから行こう」という感じではありました。
大衆店は避けて「なるべく個室がある」「安い」「おいしい」というのでお店を選ぶようにしています。
インスタや食べログを見て、食べに行くし、友だちが「ここ良いよ」って言っていたら参考にするようにしています。
基本はブラブラせずお店集合にしちゃいます。
あとは・・・あまり「いま自分が何をしているか」というのをシェアしなくなりました。
やってはいけないことやモラルやルールに反することは何一つしていないのですが、遊んでいたとしても
勉強していたとしても「自分が今何していたか」を発信することで、知らない誰かに「危機管理能力がない」と
言われる「かも」しれない・・・
それがとても嫌です。私が何かして、迷惑掛かるのは自分だけではないというのはとても理解しています。
今回インタビューした学生さんも含め、学生の皆さんは「定期圏内」というのが大きなキーワードになるかと思いました。
コロナ禍で大都市を避けて、中規模で話題性のある駅や店舗が今まで以上にピックアップされているのではないでしょうか。
また、 リスクヘッジという面から「自分がおでかけしている」というシェアや投稿のハードルは、高まっているように感じました。
●卒業旅行で「海外」は難しい。国内旅行を楽しみたい気持ちはある。
―定期圏外は「歩く」はすごいですね!!実際にどういったところにいったんですか??
海外旅行はいけないねって話している。同級生とは国内47都道府県を回る旅をしていて
今年は「四国4県」を回りたいねって話していました。
毎年、いろいろ時間がないのだが、今年は4年生でいろいろ終わっているので年末か1月に行こうと思っている。
ただ、コロナの影響次第なので・・・どうなるかは未定です。
●コロナ禍で変容し続ける価値観と環境を考えながら、柔軟にフィットし続けることが大切。
―最後に、コロナを経て周りの環境や心境はどのように変わりましたか??
学生生活の中でコロナ禍での不安や不満はもちろんありますが、自分自身が4年生という事もあり集中するべきポイントなどは理解しているので、他の学生の方よりないかもしれません。ただ、やはり部活ができないのは悔しいし、誰のせいでもないしどうすることもできないので・・・唯々「運が悪いね。私たち・・・」とは同期と話しています。
新年度になり楽しみにしていた合宿等も中止にはなりましたが、代替として集中練習を行ったり大人数で練習ができるように
広い場所を借りれるように学生部と交渉したりと今できる最大級のことを行っています。
もちろん、新型コロナウィルスが流行してよかったことは一つもないです。ただ、自分の友人や社会人の先輩、日本社会が
どのように価値観を改めて行くのかその変容を自分の価値観と比較しながら、新たな社会について考えることができる事は良かったと思います。
また、緊急事態にどのように行動し、環境に適応するために柔軟な対応が如何にできるかを鍛えることができたのはプラスだと思っています。
●新たな生活様式、新たな価値観の中で自分自身が置かれている環境を批判的に見ながら冷静かつ柔軟に適応し続ける学生の姿が印象的であった。
今回インタビューした学生の方も含め、皆さん「With コロナ」という時代をどのように生活するか、冷静に判断している部分が多いのが特徴的だと感じています。悲観的にな状況も「前に進むためにはどうすればいいのか」を考え、自分が置かれている状況、他者が置かれている状況を冷静に比較しながら「自分はどうすればいいのか」「自分が行動することにより、どう他者、組織へ影響があるのか」を検討する。180度変化した環境に対してクリティカルシンキング(感情や主観に流されない批判的な考え方)で物事を理解しようとしているのが印象的です。
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