サイレントラブ

「好きだけど言わない意識」は、他人の目ではなく、自分自身と向き合う意識?

みなさま、こんにちは。

サイレントラブマーケティングコラム第4弾です。

前回は「好きだけど言わない意識」は、適度な距離間で長期間消費をする“優等生”意識?

と題し、SNS時代の共有マーケティングの新たな顧客心理のマーケティング価値をお話いたしました。

本コラムでは、ではなぜ「好きだけど言わない」のかを確認し、自分自身との距離感を考察していきます。

 

まずは、前回の内容をさらりと記載します。

詳しくは「好きだけど言わない意識」は、適度な距離間で長期間消費をする“優等生”意識? をご覧ください。

 

●「好きだけど言わないモノ・コト」は、真の顧客の声であり、ライフタイムバリューの高い意識

―「好きだけど言わない意識」になりやすいモノ・コトとは?

共有するモノ・コトと、好きだけど言わないモノ・コトは、国内旅行、ファッション、海外旅行、グルメなどがどちらも上位にきており、つまり、「共有する」モノ・コトと「好きだけど言わない」モノ・コトは、多少の順位の違いはあれど、多くが共通していました。

 

―「共有する」モノ・コトと「好きだけど言わない」モノ・コトとの付き合い方は?

・共有する意識は、「自分の魅力」を意識し共有し、熱しやすく冷めやすい、スイッチしやすい意識

・好きだけど言わない意識は、「適度な距離間で長く関係を持ち、消費もする」けれども人には教えてくれない意識

ということが言えると考えています。

このような分析からすると、好きだけど言わない意識は、「顧客の声としての価値」そして「ライフタイムバリュー」という観点での価値を含む非常に重要な意識であると結論付けられました。

 

 

さて、ここから今回のコラムの本題です。

 

●「共有するモノ・コトは、他人から見られたい自分」、「共有しないモノ・コトは、自分の存在により近い」

-「好きだけど言わない」モノ・コトには、“癒し、リラックス効果”を期待している

「共有する」モノ・コトは、“満足感”で20ポイントほど、“理想の私になれる”で12ポイントほど高い結果が出ています。

やはり、自分ブランディングとして魅力的にみせる効果としての期待が高い、ということが伺えます。

一方で、「共有しない」モノ・コトは、“癒し・リラックス効果”で11ポイント高い結果となっています。

これは、誰かと共有し評価されることを前提とするのではなく、自分による自分のために楽しんでいると考察されます。

つまり、そのモノ・コトに対して、他人の評価を気にせずに正面から向き合い付き合っていると推測されます。

 

図1 最も好きなモノ・コトにおいて、期待する効果

 

 

 

-知識量には、強いこだわりが存在する。

続いて、共有しない理由に関しての深堀です。

好きだけど共有しないモノ・コトにおいては、まず知識量にこだわりがあるようです。

「共有するには知識不足だと思うので」が最も高く、共有するほどの自信が無くこれからという理由があるようです。

一方で、「共有した際に、相手が知識不足だと話をしたくないので」も高く表れています。

こちらに関しては、自分の知識量に自信があったり、知識量によって話がかみ合わなかったりするくらいであれば、自分だけで楽しむ方が有意義と考えていると推測されます。

また、「共有した時に否定・反論されると嫌なので」も高く表れています。

前回のコラムなどから考察すると、自分にとって長く付き合ってきているモノ・コトを大事にするための防衛反応ではないかと考察されます。

このように、知識量へのこだわり、自分の大事なモノ・コトの防衛、といった結果から、共有には知識量にこだわりがあり、自分と長く付き合うアイデンティティに近いモノ・コトは、簡単には共有できない。

といったこだわり心理が隠れていることが分かりました。

 

図2、最も好きなモノ・コトを共有しない理由

 

 

 

●好きだけど共有しないという意識=「サイレントラブ」

私たちは、いままでの発見と理由までの考察によって特徴と定義を突き止めました。

“好きだけど共有しない”のは、「サイレント」。

そして、“好きな期間が長い”、“消費も厭わない”、“アイデンティティに近い”といった特徴から強い気持ち、ライクではなく「ラブ」。

私たちは、この意識に「サイレントラブ」という名前を付けました。

 

 

いかがでしたでしょうか?

今回は、「好きだけど言わないモノ・コト」の、言わない・共有しない理由を考察いたしました。

いくつかの理由は存在する中、俯瞰してみると、やはり他人の評価などではなく、自分自身と親和性があり、だから知識も豊富になり、そして自分の癒しやリラックスのために楽しむ。

だからこそ、簡単には共有しないという心理が見えてきませんでしたか?

 

 

今回のコラムは以上になります。

次回は、それではこの意識「サイレントラブ」とどのようにコミュニケーションを取っていくのかに迫ってまいりますので、

ご期待ください。

 

 

調査概要