ゆるさとLabo

【第5章】生産型関係人口 タイプB「スマートサポーター」の紹介

みなさま、こんにちは。ゆるさとLabo研究員の増田です。今回も前回に引き続き、「若者関係人口は、地域とどのような関わり方を欲しているのか」という研究課題を解き明かそうとした調査について紹介していきます。

本日は地域づくりの重要な担い手となり得る「生産型関係人口」のタイプである「スマートサポーター」について紹介いたします。

 

●「スマートサポーター」は自分のスキルを活かして地域の課題やお困りごとを解決する存在!

 

スマートサポーターの特徴をまとめたものが下記のシートになります。

 

 

まず属性として、若者関係人口の中でも20代、特に20~23歳の割合が多いのが特徴です。社会人としては駆け出しなので、リーダーシップを発揮するなどまではいかないものの、自分の持っているスキルを活用して地域貢献をしたい。中心ではなくサポート型で価値提供を行いたいというニーズがあることが理解できます。

そのため活動内容は、積極的に地域を駆け回って交流するというよりは、コ・ワーキングスペースで出会った人を通して地域の理解を深めていく、魅力を知っていくという形が主体となります。

活動理由としては、「魅力的な地元の人に出会ったから」「地元の人が喜んでくれるから」といった回答に特徴があり、自分がというよりは人のために支援するという自己実現よりも他者支援の方が力を発揮するタイプであることが分かります。ただし、価値観の特徴として「先進性因子」「外向性因子」が特徴として出ているため、完全な提供ということではなく先進性など少し挑戦的、学びがある内容を重視している可能性があります。

そういった特徴からなのか、活動の継続意向も高い一方、他の地域での活動にも関心が高くなっています。地域としては、永続的な定住・定着は工夫が必要になってくると考えられますが、地域の課題に対して地域ではできないことを提供してくれる「スキルサポーター」となり得る可能性を秘めています。

まとめますと、スマートサポーターは、地域の魅力的な人に惹かれ、その地域に活躍可能な課題・機会が明確にあることが分かると、自分のスキルを提供して共創してくれるタイプ。

地域の中の人材ではできないことに対して価値提供をしてくれるこのタイプへのアプローチは、持続可能な地域づくりにとっても重要になりそうです。

 

今回のコラムは以上となります。次回は生産型関係人口のタイプC「自分磨き学生」について詳細を説明していきます。ぜひご期待ください!

 

※この研究は、日本マーケティング学会主催「マーケティングカンファレンス2020」のポスターセッションにおいて、「ベストポスター賞」に選出されました。